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【2026年2月最新版】八尾市・大阪府の空き家問題を“数字で”読み解く:放置リスクと現実的な打ち手

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こんにちは、総合福祉支援サポートのファイナンシャルプランナー岡田です。

「空き家が増えているらしい」と聞いても、実感が湧きにくいかもしれません。ですが、統計を見ると“すでに生活圏の問題”になっています。 本記事では、八尾市を中心に大阪府に絞って、最新の公的データをもとに数字で納得できる形で整理し、 「結局、いま何から着手すべきか」を具体的にまとめます。


1. 全国の最新状況:「空き家900万戸」は“何が含まれる数字”か

総務省の住宅・土地統計調査(令和5年=2023年)では、全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%です。 つまり単純計算で約7.2軒に1軒が空き家に相当します(1÷0.138 ≒ 7.25)。

ただし重要なのは「空き家の中身」です。空き家には、賃貸用の空室・売却用・別荘なども含まれます。 “いわゆる放置空き家”に近いのは、統計上の区分でいう「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」で、 全国では385万戸(住宅数に占める割合5.9%)とされています。

ポイント:
・ニュースの「空き家率」は、賃貸の空室も含むため、体感とズレることがあります。
・一方で「賃貸・売却用等を除く空き家(5.9%)」は、相続後に放置されやすい層を含み、自治体対策と強く関係します。


2. 大阪府の空き家:総数は微減でも“放置寄り”が増えている

大阪府の住宅・土地統計(令和5年=2023年)では、空き家は70万1,900戸、空き家率は14.2%です。 こちらも単純計算で約7.0軒に1軒(1÷0.142 ≒ 7.04)に相当します。

ここで見逃しやすいのが、空き家の種類別の動きです。大阪府は前回調査比で空き家総数がわずかに減った一方で、 「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」22万6,900戸と増加しています。 つまり、“市場に出て回る空き家”が減っても、“放置寄りの空き家”は増え得るという構図です。

大阪府の読み解き:
・総数の増減だけで判断しない(種類別が重要)
・“放置寄り”の増加は、近隣トラブル・景観・防災・税負担の面で効いてきます


3. 八尾市の空き家:統計(18,460戸)と実態調査(2,897件)の“差”が示すもの

3-1. 統計上の八尾市:空家数18,460戸/空家率13.9%

八尾市の空家数(住宅・土地統計調査ベース)は、令和5年(2023年)で18,460戸、空家率は13.9%です。 これは単純計算で約7.2軒に1軒(1÷0.139 ≒ 7.19)。
同じ表では、全国・大阪府・隣接市(大阪市、東大阪市、柏原市)と比較できる形で整理されています。

3-2. 実態調査の八尾市:空家等2,897件(2017年比 約1.5倍)

一方、八尾市が実施した実態調査では、令和5年度(2023年度)の判定で2,897件が空家等とされています。 これは平成29年度(2017年度)の1,937件から約1.5倍に増加という整理です。

3-3. なぜ数字が違うのか?(ここが勘違いポイント)

  • 統計の「空き家」:賃貸用の空室・売却用・別荘等も含む(“住んでいない住宅”の広い概念)
  • 実態調査の「空家等」:現地で確認した“空家等対策の対象になり得る物件”を抽出(対策実務に直結)

つまり、統計=規模感実態調査=対策の対象と考えると分かりやすいです。 そして八尾市の資料では、所有者の約66%が60歳以上、市外居住の所有者が26.2%、取得経緯の最多が相続(37.6%)と整理されています。 ここから、「高齢×遠方×相続」が八尾市の空家対策で外せない軸だと読み取れます。


4. 八尾市・大阪府で空き家が“困りごと”になる典型パターン

4-1. 相続で止まる(または放置される)

2024年4月1日から、相続登記は原則義務化されました。
相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要で、正当な理由なく怠ると過料(上限10万円)の対象となり得ます。 施行前に始まった相続でも、未登記なら猶予期限(原則2027年3月31日まで等)の範囲で対象になります。

勘違い注意:
「親が亡くなってから何年も放置している」ケースでも、登記義務の対象になり得ます。
“名義が曖昧なまま”だと、売る・貸す・解体する・補助金を使う、すべてが遅れがちです。

4-2. 旧耐震・老朽化で「管理コスト>活用メリット」になりやすい

八尾市の概要資料では、空家等の多くが旧耐震(1981年以前)であることが示されています。 旧耐震は、売買・賃貸・リフォームの意思決定で“追加コスト”が前提になりやすく、結果として先送りされがちです。

4-3. 近隣トラブル・防災・衛生へ連鎖する

  • 雑草・樹木・害虫・動物の温床(苦情が先に顕在化しやすい)
  • 外壁・屋根・ブロック塀などの劣化(通行人・隣家への危険)
  • “誰の家か分からない”状態が長いほど、行政対応も長期化しやすい

5. 八尾市で「いま現実的にできること」:行政導線を軸に、優先順位で動く

5-1. まず相談窓口を押さえる(苦情・管理不良の相談)

八尾市では、管理不良な空家に関する苦情・相談は住宅政策課が窓口として案内されています(電話番号も公開)。 現地調査のうえ、法や条例に基づき助言・指導等を行う流れです。

5-2. 活用したい場合も“入口は同じ”(目的に応じて相談先が分岐)

「売却・賃貸」だけでなく、「一部店舗」「地域の交流拠点」など多様な活用があり得るとして、 まず住宅政策課へ相談し、意向を確認した上で適切な相談先へつなぐ旨が案内されています。


6. 八尾市版:空き家を抱えたときの“実務ロードマップ”

STEP1:現状を1枚にまとめる(ここが最重要)

  • 所在地、名義(登記簿)、相続人候補
  • 築年、構造、耐震(1981年以前か)
  • 電気・水道・ガスの状態、火災保険
  • 近隣への影響(雑草・倒壊リスク・苦情の有無)
  • 残置物(家財)の量(写真で可視化)

STEP2:権利(登記)を整える

売却・賃貸・解体・補助制度…どれを選ぶにしても、登記が整っていないと時間が溶けます。 “とにかく片付ける”の前に、名義と相続関係の整理を先に走らせると、後工程が短くなります。

STEP3:方針を3択で決める(迷いを減らす)

  1. 売る:市場に出す(査定→条件整理→媒介)
  2. 貸す:最低限の安全性確保→募集(用途変更の可能性も検討)
  3. たたむ(解体):危険回避・管理コスト削減(費用と手続きの整理)

STEP4:詰まりやすい「残置物」を現実的に処理する

実務では、方針が決まっても残置物(家財)が動かせないことで停滞することが多いです。 量が多い場合は、写真で“部屋ごとの量”を把握し、処分・保管・形見分けの線引きを先に決めておくと、 その後の売却・賃貸・解体が進みやすくなります。

(補足)残置物の整理は、家族だけで抱え込むほど長期化しやすい領域です。必要に応じて、 自治体の相談先や専門団体の窓口情報も活用しつつ、無理のない体制で進めるのがおすすめです。


7. 事業者・地域として八尾市でできること(大阪府内で波及させる視点)

7-1. 「高齢×遠方×相続」へ、先回りの情報提供

  • 高齢者施設・地域包括・ケアマネ等と連携し、「相続前」から周知(八尾市資料でも課題に言及)
  • 市外居住の所有者へ、郵送・オンラインで“最短手順”を提示(登記→管理→活用)

7-2. “予防型”の管理:管理不全に落ちる前に手当て

国土交通省は、管理不全空家等・特定空家等への措置に関するガイドライン等を公表し、判断の参考基準を整理しています。 行政指導が入る前の段階で、最低限の安全確保(草木・外壁・塀など)を進めるほうが、費用もトラブルも小さくなりやすいです。

7-3. 活用の選択肢を増やす(住まい以外の活用)

八尾市のFAQでも、空家の活用は住宅としての売買・賃貸に限らず、用途変更や地域活用など多様であることが示されています。 “売れない・貸せない”と決めつける前に、用途の切り替え(小商い、交流拠点等)を含めて検討すると、出口が増えます。


8. まとめ:八尾市の空き家は「統計の規模」と「対策の対象」を分けて考える

  • 全国:空き家900万戸・13.8%(ただし賃貸空室等を含む)
  • 大阪府:空き家70万1,900戸・14.2%(総数は微減でも“放置寄り”は増加)
  • 八尾市:統計では18,460戸・13.9%、実態調査では2,897件(“対策対象”の可視化)

空き家問題は、「放置して困ってから」よりも、登記・管理・残置物・方針決定を早めに回すほど、 時間も費用もトラブルも抑えやすい分野です。
八尾市の実態(高齢・遠方・相続)を前提に、まずは“1枚に整理して、次の一手を決める”ところから進めていきましょう。


参考資料・引用元(公的データ中心)

  • 総務省統計局:令和5年 住宅・土地統計調査(速報)「空き家900万戸・13.8%」「賃貸・売却用等を除く空き家385万戸・5.9%」
  • 大阪府:令和5年住宅・土地統計調査 結果の概要(空き家70万1,900戸・空き家率14.2%、種類別動向)
  • 八尾市:空家等対策計画(素案/概要版)— 統計上の空家数18,460戸・13.9%、実態調査2,897件、所有者属性等
  • 法務省:相続登記の申請義務化(2024年4月1日施行、3年以内、過料の可能性等)
  • 国土交通省:管理不全空家等・特定空家等への措置に関するガイドライン(判断の参考基準等)
  • 八尾市FAQ:空家の苦情・相談窓口/空家活用の相談窓口(住宅政策課の案内)
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総合福祉サポート
2023年より設立した福祉系法人。
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