「認知症かな?と思ったら」最初にやること
「最近、同じ話を何度もする」「物忘れが増えた」「怒りっぽくなった気がする」――。
ご家族や身近な方に変化が出てくると、心配になりますよね。
ただ、認知症に似た症状は、睡眠不足・うつ・薬の影響・脱水・感染症などでも起こることがあります。
この記事では、初心者の方でも迷わないように、「今日からできる確認」→「相談先」→「介護保険(認定調査)の流れ」を順番にまとめます。
まず最初に:慌てないための考え方
認知症かもしれないと感じたとき、いちばん大切なのは「一人で抱え込まない」ことです。
ご本人にとっても、ご家族にとっても、「早めに相談できる状態」を作るだけで、選択肢が増えます。
そして、最初から「認知症かどうか」を決めにいく必要はありません。
実務としては、①変化を記録する → ②相談する → ③必要なら認定調査を進める、この順番で十分です。
チェック:受診・相談前にメモしておくこと
病院や包括に相談するとき、「いつ・何が・どのくらい」が分かると話が早く進みます。
できれば紙かスマホに、次の項目をメモしておきましょう(完璧でなくて大丈夫です)。
- いつから:変化が始まった時期(○月ごろから、でもOK)
- 頻度:週に何回くらい起きるか
- 具体例:同じ質問を繰り返す、財布を何度も探す、料理手順が崩れる等
- 生活への影響:服薬、金銭管理、火の不始末、外出の迷子、など
- 本人の様子:不安、怒りっぽさ、意欲低下、睡眠の乱れ
- 持病・服薬:薬の名前が分からなければお薬手帳だけでも
- 困っていること:家族が困っている場面を一つ挙げる
至急受診が必要なサイン(見逃し注意)
次のような場合は、認知症以前に急な病気が隠れている可能性があります。迷うときは医療へ優先してください。
- 数日〜1週間など、急に様子が変わった
- 発熱、強いだるさ、脱水、食事が取れない
- 意識がぼんやりする/昼夜逆転が急に強くなった
- 転倒が増えた、麻痺、呂律が回らないなど
- 「せん妄(急な混乱)」のように、日内で良い悪いが激しい
相談先はどこ?いちばん迷わないのは「地域包括支援センター」
「どこに相談したらいいか分からない」ときは、まず地域包括支援センターが分かりやすい窓口です。
介護の相談、サービスのこと、家族の負担、介護保険の手続きなど、まとめて相談できます。
相談するときは、電話でもOKです。
「認知症かもしれない。受診と介護保険、どちらから進めるべきか相談したい」
こう伝えるだけで、必要な流れを整理してもらえます。
ポイント:包括に相談=すぐ施設入所、ではありません。
多くの場合は、今の生活を保つための手順を一緒に整理するところから始まります。
病院は何科?受診のコツ
受診先に迷う場合は、まずかかりつけ医に相談するのが現実的です。
そこから必要に応じて、神経内科、精神科、もの忘れ外来等につないでもらう流れがスムーズです。
受診のコツは、ご家族がメモを持参することです。本人は自覚が薄いこともあり、診察が短時間で終わってしまうことがあります。
「いつから」「具体例」「生活への影響」を箇条書きにして持っていくと、医師に伝わりやすくなります。
介護保険の第一歩:要介護認定(認定調査)を受ける流れ
「もし認知症だったら…」と不安なときほど、早めに検討したいのが要介護認定です。
認定が出ると、デイサービスや訪問介護など、生活を支えるサービスが使いやすくなります。
1)申請する(本人または家族)
申請窓口は市区町村(役所)です。
「本人が行けない」場合でも、家族が申請できることが多いです(自治体の案内に従ってください)。
2)認定調査を受ける(自宅・病院など)
調査員が訪問して、心身の状態や生活状況を確認します。
調査当日は、できればご家族も同席し、“普段困っている場面”を遠慮なく伝えることが重要です。
- 「できる/できない」ではなく、安全に継続できているか
- 家族の見守りや声かけがあって成り立っていることは、そのまま伝える
- 良い日よりも、困っている日を基準に話す(波がある場合)
3)主治医意見書が作成される
申請後、市区町村から医療機関へ依頼が行き、医師の意見書が作成されます。
受診のメモがあると、ここでも情報が整理されやすくなります。
4)結果が届く(要支援/要介護など)
結果が出たら、次は「具体的にどう支えるか」を組み立てる段階です。
認定が出たら:ケアマネ・サービス利用の流れ
認定結果が出たあとは、必要に応じてケアマネジャー(介護支援専門員)がつき、 サービスの計画(ケアプラン)を一緒に作ります。
- 相談(包括・居宅介護支援事業所)
- ケアマネ決定
- 本人・家族の希望確認(何を困っているか、どう暮らしたいか)
- サービス調整(デイ、訪問、福祉用具、住宅改修など)
- 利用開始(必要に応じて見直し)
大切な視点:介護サービスは「全部やってもらう」ためではなく、
本人の生活を保ち、家族の負担を現実的に下げるために使うものです。
家族が疲れ切る前に:よくあるつまずきと対策
つまずき1:本人が「大丈夫」と言って受診・相談を拒む
正面から「認知症だから」と言うと、関係がこじれやすくなります。
「最近眠れてない?」「薬の確認も兼ねて一度診てもらおう」など、体調チェックの文脈で誘うと進みやすいことがあります。
つまずき2:家族だけで抱えて限界になる
認知症の対応は、24時間の見守りになりがちです。
介護保険を使う・包括に相談するのは、決して大げさではありません。
家族が倒れないことが、結果として本人の安心にもつながります。
つまずき3:「どこまで困っているか」を調査で言えない
認定調査では遠慮が出やすいですが、困りごとは誇張ではなく事実として伝えることが大切です。
「見守りがあって成り立っている」ことは、そのまま伝えて問題ありません。
よくある質問(Q&A)
Q:受診と介護保険申請、どっちが先?
A:理想は並行です。受診で原因確認を進めつつ、生活で困りが出ているなら認定申請も進めると早いです。迷うときは包括へ。
Q:まだ軽い気がするけど、相談していい?
A:むしろ軽いうちの相談が一番有効です。生活を崩さずに支える方法を検討できます。
Q:家族が遠方で動けない場合は?
A:包括へ事情を伝えると、地域の支援につなげる相談ができます。まずは電話で「本人の様子」「困りごと」を共有するところから始められます。
まとめ:次にやること3つ
ここまで読んで、「何から手を付ければいいか」は、もう十分整理できています。
最後に、今日〜今週中に実行しやすい形で、次の3つを具体的にまとめます。

1,変化をメモする(10分でOK)
まずは“診断”ではなく、“事実”を集めます。メモは完璧でなくて構いません。
- いつから:○月ごろから/最近2週間で、など具体例:同じ質問を繰り返す、財布を何度も探す、火の不始末が増えた、など生活への影響:服薬、金銭管理、外出、買い物、衛生面、など家族の負担:見守りが必要、電話が増えた、夜間対応がある、など
2,地域包括支援センターを探して電話する(最短15分)
迷ったら、まず包括に相談するのが一番早いです。
探し方:
Googleで 「(お住まいの市区町村名) 地域包括支援センター」 と検索してみましょう。
例:「八尾市 地域包括支援センター」 電話での伝え方(そのまま読めます): 家族のことで相談です。最近物忘れなどの変化があり、受診と介護保険(認定申請)のどちらから進めるべきか整理したいです。 本人の状況と、家族の負担も含めて相談できますか。 事前に伝えるとスムーズな情報:
年齢/同居か別居か/困っている場面(1つでOK)/受診歴(あれば)/介護保険申請の有無 ポイント:包括に相談したからといって、すぐに何かを決める必要はありません。
多くの場合は「今の状況の整理」と「次の手順づくり」から始まります。
3,必要なら「要介護認定」を申請して、認定調査に備える(一週間が目安)
生活で困りごとが出ているなら、申請を早めるほど選択肢が増えます。
申請の基本:窓口は市区町村です。本人が行けない場合でも、家族が申請できることが多いです。
迷う場合は、②の包括へ「申請したい」と言えば、必要書類や流れも案内してもらえます。
認定調査で大切なこと:
認定調査は、元気に見せようとしてしまうと実態が伝わりません。
“普段困っている場面”を、遠慮せずに具体例で伝えるのがポイントです。
調査前に準備すると強いメモ(3行でOK):
- できないこと(例:服薬管理が難しい、金銭管理が不安、火の不始末がある)
- 見守りが必要なこと(例:外出に付き添いがいる、夜間対応がある)
- 危険なこと(例:転倒、徘徊、訪問販売の契約が心配)
いま一番大事なこと:
「認知症かどうか」を結論づける前に、相談できる窓口を確保し、手順を作ることです。
一人で抱え込まず、まずは 「地域+包括」 で検索して、電話一本から始めてみてください。
もし「本人が受診を拒む」「家族が遠方で動けない」「何から伝えればいいか分からない」など事情がある場合でも、 包括へそのまま伝えて問題ありません。状況に合わせて、無理のない進め方を一緒に整理できます。

